ごめんねギャバン

北海道のメンズリブ・グループ、『ごめんねギャバン』の公式ブログです~。

報告【雑談と、次回のテーマを話し合おう!】:第2.5回ごめんねギャバン@札幌

1/10(金)、『ごめんねギャバン@札幌』【雑談と、次回のテーマを話し合おう!】を開催しました!  4名が参加してくれました。今回の集まりは準備回的なものとなりましたので、第2.5回として扱おうと思います。

 

 

さて、第2.5回の話し合いの中では、「僕たちはそもそも、男としての問題で、日々悩んだりしてるのか?」という質問がありました。

この日の参加者は、男としての悩みを明確に持っている人が少なく、その質問に対しては「男として、ではないけど、日々の悩みや困りごとなら、ある」「他の男の振る舞いに、嫌な思いをした記憶はある」というような回答が出ていました。


それを聴いて、ある参加者の方から、次のような意見がありました。

「90年代ぐらいまでは、高度経済成長期に作られた「男性は仕事」というような、性別役割分業的な男性像が残っていたけど、00年代以降はその男性像が揺らいでいる。

像が曖昧になったから、「男としての悩み」と言えるようなものも、曖昧になりがちになったのかもしれない」。

 

それを受け、ある参加者の方からは、次のような意見がありました。

「急激に社会が変化していて、男性像も確固としたものはなくなってきていると思うが、かつての「男らしさ」≒「ギャバン」みたいなものは、無くなったわけではないと思う。

周囲や僕らの言動、僕らが日々感じること、その他色んなところに、その残滓はある。「ギャバン」はいる。ただしそれは、丁寧に見ていかなければ分からなくなっている。

だから、「いま、男とは何か」を丁寧に見る場、いわば「現代的な男性ジェンダーのあり様を定点観測する拠点」が、あると良いのではないか。『ごめんねギャバン』が、そのような拠点になると良いのではないか」…。


かつてのメンズリブは、主に90年代から2008年ぐらいまでになされた運動でした。当時と今とで、男と社会の状況は変わっています。

ただし、過去のメンズリブが、「サラリーマン」や「父親」、「夫」としての男の語り合いしかしていなかったか、というと、決してそうではないようです。

過去のメンズリブの語り合いが、多様なテーマを扱っていたことは、遠山さんの論考(https://www.jstage.jst.go.jp/article/arws/40/0/40_27/_article/-char/ja)に言及があります。

過去のメンズリブの豊かな蓄積。『ごめんねギャバン』で今後取り扱う事柄が、過去のメンズリブではどう議論されていたのか、掘り起こしと付き合わせの作業をいつかできると良いのでしょう。そして、その付け合わせの成果を『ごめんねギャバン』に返せたら理想的で、それは今後の課題かもしれません。

 

ともあれ、『ごめんねギャバン』で扱われる今の、そしてこれからの、男と社会とは、どんなものなのか。

高齢化社会、低成長時代、格差と貧困、承認の不在と孤立…。そんな中で、僕らはいったい、どのように生きていくのが良いのだろうか…。

かつての「ギャバン」的な男らしさを、サッパリなかったことにはせず、自分たちの中にある「ギャバン」の残滓も見つめながら、いまの「男」としての自分を、ゆっくりじっくり、うじうじと考える。次回以降、『ごめんねギャバン』はそんな場として運営していくことが、先日の話し合いで確認されました。

 


そんな話し合いを経て決めた、次回の内容。それは、ここまでの話し合いの結果を具現化し、検証してみる試みです。

第3回ごめんねギャバン@札幌は、2/7(金)、夜7時から。内容は【哲学対話をやってみよう!】(…最後はちょろっと「男性(ジェンダー)」のことを考察し、「男性」の今を定点観測してみよう!)です。

哲学対話とは、「気になっていること・苦労していること・悩んでいること・相談したいこと」等をその場に出し、その中身とは何かについて、語り合いながらみんなで深めていく、というものです。詳細は、第3回告知記事(https://gomennegavan.hatenadiary.com/entry/2020/01/22/125047)をご覧下さい。

 

まずは、哲学対話をやってみる。

男としての問題に囚われ過ぎることなく、日々の悩みや相談したいこと、苦労していることや気になったり引っかかっていることを、問いとして言葉にする。

その問いに関する、参加者それぞれの経験を語っていく。対話してみる。

最後に、この対話から見えてきた世界を、男性であることと関連づけて、みんなで考察してみる。

何が見えてくるかは分かりません。ただ、男性が対話をする場はなかなかなく、また男性が対話することも難しい場合が多いので、まずは男性たちが、その挑戦を気軽に体験できる機会になれば、と思っています。

 

 

…第2.5回で話し合った内容は、上記以外の話題もたくさんあり、とても面白く、刺激的で示唆に富むものばかりでした。

参加してくれた皆さま、ありがとうございました!

 

 

追記:

最後にもう一点だけ、先日の話し合いで確認したことを付け加えておきます。

それは、「『ごめんねギャバン』の参加者を、男性に絞るか否か」についてです。

結論から言うと、原則として参加者を男性に絞ることはせず、『ごめんねギャバン』は基本的に、どんな性自認の方でも参加していただける場にすることにしました。

理由は、「男性ジェンダーについての定点観測をするためには、むしろ性自認が男性以外の人にも参加してもらい、意見をもらったり、感じていることを言葉にしてもらった方が、より場が豊かなものになる」と思われたからです。

ただ今後、男性だけでないと語り辛い悩みや話題などがテーマになったときは、参加者を男性限定にするかもしれません。

それはあくまでも例外として、「原則参加は誰でもオーケー」という条件で、『ごめんねギャバン』はやっていこうと思います。

皆さま、今後とも、『ごめんねギャバン』をよろしくお願いします。