ごめんねギャバン

北海道のメンズリブ・グループ、『ごめんねギャバン』の公式ブログです~。

報告【男と介護・家族】:第2回ごめんねギャバン@札幌

第2回ごめんねギャバン@札幌、テーマは【男と介護・家族】でした。4名の方が参加してくれました。

 

50代、40代、30代と、参加者の年齢層が幅広く、しかも家族介護に関して様々な経験を持った方々が参加してくれたおかげで、とても豊かな語りを聴くことができました。

 

 

老いは、多くの人が直面することになる、とても普遍的な問いであるはずです。なのに、いまの社会ではそれが、ほとんど見えないようにさせられています。

 

普段考える機会がないのに、家族や身近な人の身に老いや病気が迫ったとき、その介護を通じて、僕らは老いや死と突然向き合うことになるわけです。

 

社会が表に出さないようにしているため、僕らは孤立して介護、老い、死に格闘せざるを得ません。

 

そんな状況にあることを、今日の語り合いで確認することができました。そして同時に、今日のような集まりが非常に重要であることも実感できました。

 

 

 

男性は、悩みを相談することが苦手な場合は多く、介護や老い、死について、より孤立して向き合わざるを得ない傾向にあるのかもしれません。

 

今日は年上の男性が自身の経験を語ってくれました。語ってくれたその方も、過去にたまたま身近にいた年上の経験者の男性が助言してくれ、それで家族介護の難しさを乗り切ってきた経験のある方でした。

 

いわば「男性同士の良いつながりの連鎖」のおかげで、今日参加した年下の男性たちは、豊かな学びを得ることができました。この日の最後の感想の中で、平板にしかイメージできなかった「介護」について、自分の中のイメージが変わった、と述べる年下の男性参加者の声がありました。これは本当に貴重なことで、こうした男性同士の縦のつながりが、今後よりいっそう必要になってくるだろうな、と思いました。

 

また、将来高齢になったときは独身男性同士での助け合う生活を考えていて、そうした話題を男性の友だち同士でしている、という声もありました。ネット上では、男性同士で助け合う生活に対して悲観的な見方があるのを見かけますが、草の根でこうした前向きな動きがあることを知り、素朴に驚きました。そして、実は僕らが知らないだけで、こうした男性同士の横のつながりが作られる芽のような動きは、各地域のあちこちで生まれているのかもしれない、とも思いました。少なくとも、男性同士で助け合おうという思いを持った男性たちが、草の根の生活現場にきちんと存在しているという事実は、僕らの大きな救いではないでしょうか。男性同士の横のつながりづくりについても、今後いっそう注目していきたいところです。

 

 

その他、介護によって生活デザインを再構築せざるを得ない問題、介護をめぐる当事者と家族の複雑な思い・プライド・心配・気遣いが混線して拗れる問題、老いてくるとワガママになる問題などなど、大事な論点が目白押しでした。

 

そして、「老いとは予測不可能なものである」「(老いた)身体に思考が引っ張られる」という言葉には、切れば血が出るような生々しい実感がこもっていて、胸に突き刺さるような感じがありました。逆に言うと、僕は未だ老いや死のことを、家族の介護などを通じてさえも、全く体験していないのだな、ということを痛感できた気がしました。

 

参加者の方から、「高齢男性たちが、この社会の中心を綿々と作ってきたのだろう。そんな彼らは、老いや死と(意識的にせよ無意識的にせよ)向き合ってきたわけで、彼らの問いである老いや死を考えることが、メンズリブとしては絶対に必要なのではないか」というような言葉があり、本当にその通りだなあと思いました。

そして僕は、自身の老いと死について、今日を始めとして、当事者として考え続けていきたい、そこから全てを始めていきたいと思いました。

 

 

それにしても、直接対面しての語り合いは、本当に凄いものだな、と感じました。存在と言葉の迫力が違う。とても楽しかったし、凄く深かったです。

参加して下さったみなさま、本当にありがとうございました!

 

 

さて、次回のごめんねギャバン@札幌は、1/10(金)の夜に行います。

テーマは未定で、皆さんからアイデアをもらって決めていきたいと思っています。

「こんなお題でやってほしい」「こんなテーマでやってみたら?」といったアイデアがありましたら、以下のアドレスかツイッターのDMまで、ぜひぜひお寄せ下さいませ。

よろしくお願いします〜。

 

メール:mensliberationsapporo@gmail.com

ツイッターアカウント:@makunegao